実家信託

相続
「実家信託」とは、親の自宅(実家)の管理に特化した「家族信託」のことです。親が認知症などになり判断能力を失った後でも、実家を売却したり、有効活用したりするための財産管理方法として注目されています。 

実家信託とは

  • 委託者: 実家を託す親。
  • 受託者: 実家を管理する、信頼できる子どもなどの家族。
  • 受益者: 実家の利益を受け取る親(または子どもなど)。
  • 受益者代理人:受益者の利益を代理して受益者の権利を行使する人 (受託者の管理をチェックする人。専門職か受託者以外の子供がなる事が望ましい)
家族信託の契約を結んでおくことで、受託者である子どもが親の財産(実家)を適切に管理・運用できるようになります。
また家族信託は父を受益者、子供を受託者として組んでおいて父が亡くなった後、今度は母を受益者にすることも出来ます。→受益者連続型
家が父と母の共同持ち分の場合は父と母の2人を受益者に出来ます。→共有解決型 

実家信託のメリット

  • 認知症対策になる
    • 親が認知症になると、資産が凍結され、実家の売却や賃貸ができなくなります。実家信託をしていれば、後見人を使わず受託者が実家を売却したり、賃貸してその代金を親の介護費用などに充てることが可能です。
  • 空き家対策につながる
    • 親が施設に入居した後も、実家信託で受託者が実家を管理・処分できるため、空き家になるのを防げます。両親が死亡後、権利を行使できる
    • 実家を売る時はマイホーム特例を使って1人当たり3000万控除可能
  • 柔軟な資産継承ができる
    • 遺言書では指定できない、二次相続以降の財産の承継先まで指定できます。
    • 実家を子供名義に変えるときに税金が少なくすむ。
    • 同居の子供が実家を継ぐ場合は、実家信託は遺言書の代わりにとなるため、承継先を同居の子供にすることができる。
  • 相続税が課税されるケースでは特例が使える
    • 親が亡くなった後も、母が重い認知症になっていても後見人を使わず、相続税の特例が使える

実家信託のデメリットと注意点

  • 空き家特例が使えない場合あり
    • 昭和56年5月31日以前の戸建て建物(マンションを除く)は信託契約の内容に注意しないと3000万の特別控除が使えなくなる時があります。
  • 税務上の手続きが複雑になる
    • 賃貸物件などの収益不動産を信託財産にする場合、確定申告などの税務手続きが複雑になることがあります。→税理士に依頼可能性(報酬発生)有り。
    • 受託者が固定資産税の納税義務者になります。
  • 専門家への費用が高額になることがある
    • 信託契約書の作成には専門知識が必要であり、司法書士などに依頼する場合、高額な初期費用がかかる場合があります。
    • 信託できるのは「財産管理」なので本人を代理して「遺産分割協議」はできません。
  • 親の判断能力が必須
    • 家族信託は、親が元気で判断能力があるうちに契約を結ぶ必要があります。事前に任意後見人の契約を公正証書を締結しておくこと。親がすでに認知症になっている場合は利用できません。 

実家信託を検討するタイミング

以下の状況に当てはまる場合は、実家信託が有効な選択肢となります。
  • 親がまだ元気で判断能力があるうちに、将来に備えて対策しておきたい。
  • 将来、実家を売却して、その売却金を介護費用などに充てたいと考えている。
  • 将来の実家の空き家問題を防ぎたい。(両親が存命中はマイホーム特例が使える)
  • 複数の相続人がおり、相続トラブルを避けたい。 

家族信託との違い

「実家信託」は、「家族信託」という制度の一つの活用事例です。つまり、大きな枠組みが「家族信託」であり、「実家信託」はその中に含まれる、特定の目的に特化した呼び方です。 

家族信託

  • 定義: 家族や親族など、信頼できる相手にあらゆる財産の管理・運用・処分を託す仕組み。
  • 対象となる財産: 実家(不動産)だけでなく、預貯金、株式、賃貸物件、その他すべての財産が信託の対象になります。
  • 活用目的: 認知症対策、相続対策、障がいのある家族の支援など、幅広い目的で利用されます。 

実家信託

  • 定義: 親の自宅(実家)の管理に特化した家族信託。
  • 対象となる財産: **実家(居住用の不動産)**が主な信託財産となります。
  • 活用目的: 親が認知症になった後でも、子どもが実家を売却したり、賃貸に出したりして、その費用を親の介護費用や生活費に充てることを目的とします。 

家族信託と実家信託の比較

項目  家族信託 実家信託
定義 家族などに財産の管理を託す仕組み全般。 実家の管理に特化した家族信託。
信託財産 不動産、預貯金、株式など、あらゆる財産が対象。 **実家(自宅の不動産)**が中心。
活用範囲 幅広い目的に対応できる。 実家の管理・売却・活用という特定の目的に特化。
関係性 大きな枠組みとなる制度そのもの。 家族信託という制度の、一つの応用例・具体的な活用方法。

マイホーム特例とは

マイホームをうった時は所有期間に関係なく譲渡所得から最高3000万まで控除可能

1 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること

2 以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
(具体例)住まなくなった日 令和7年11月10日 3年を経過する日 令和10年11月10日
「3年を経過する日の属する年」令和10年 売却期限 令和10年12月31日

3 売り手と買い手が親子や夫婦など特別な関係でないこと
特別な関係には生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれています

主に3つの要件があります。但し、別荘として所有していたり売却目的で入居していた場合はマイホーム特例は使えません。

空き家特例とマイホーム特例の違い

主な違いとして両親が存命中はマイホーム特例が使えますし、2人共亡くなった後に空き家特例が使えます。空き家特例に関しては別項目で説明します。空き家特例は昭和56年5月31日以前に建築された家屋に限られており、マイホーム特例と同様、譲渡所得金額から3000万まで控除可能です。

実家信託パックの費用

*自宅不動産(実家)のみの信託で金銭信託がある場合は別途費用が発生します。
*司法書士報酬、登録免許税、郵送料等は別途になります。
*原則、テレビ電話(ZOOM指定)での対応となります。(訪問の場合は別途、旅費日当・交通宿泊費実費が加算されます)
*信託契約は公証役場でお手続きいただきます。
*相続時に遺留分として、他の相続人へ金銭での支払いを必要とする場合があります。

梅コース 30万~税別

竹コース 40万~税別

松コース 70万~税別

シンプルパターン 父か母を子供が実家信託

一次相続・二次相続も実家信託

二次相続に配偶者と子供が財産わけ

どのような家族

どのような家族

どのような家族

・実家は父名義だが認知症が心配

・実家は父名義だが、母にも結構財産がある

・父親が既に亡くなって実家は母名義だが認知症が心配

親と同居して実家を継ぐ

・実家は父名義だが認知症が心配

・実家は父名義だが母親が既に認知証

・母親の財産は多くない

・親と同居して実家を継ぐ

・とても父親の財産が多い人総財産1億以上

・実家の価値が高い。土地を一杯持っている。

・母親がすでに認知証

・母親の財産が多少ある

おすすめコース

配偶者控除(1億6千万使える)

 同左