自分で遺産分割協議書作成

相続

相続時においてまずは遺言書があれば遺言書が優先されます。ない場合は法定相続分通りになります。法定相続と異なる場合、相続人が複数いる場合は全員で話し合って遺産分割協議書協議書を作成して各々の財産額を決めなければなりません。

遺産分割については民法の遺産の分割において

(遺産の分割の基準) 第九百六条 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。 (遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲) 第九百六条の二 遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。2  前項の規定にかかわらず、共同相続人の一人又は数人により同項の財産が処分されたときは、当該共同相続人については、同項の同意を得ることを要しない。
以下条文続く…

と定めています。

遺産分割協議書サンプル

以下は国税庁のサンプルです。

遺 産 分 割 協 議 書

 

令和4年6月20日、〇〇市〇〇町〇番地 法務太郎 の死亡によって開始した相続の共同相続人である法務花子、法務一郎及び法務温子は、本日、その相続財産について、次のとおり遺産分割の協議を行った。

相続財産のうち、下記の不動産は、法務一郎(持分2分の1)及び法務温子(持分2分の1)が相続する。

この協議を証するため、本協議書を3通作成して、それぞれに署名、押印し、各自1通を保有するものとする。

 

令和4年7月1日

〇〇市〇〇町二丁目12番地    法務 花子  実印

〇〇郡〇〇町〇〇34番地      法務 一郎  実印

〇〇市〇〇町三丁目45番6号  法務 温子  実印

 

不動産

所   在 〇〇市〇〇町一丁目

地   番 23番

地   目 宅地

地   積 123・45平方メートル

 

所   在  〇〇市〇〇町一丁目23番地
家屋番号 23番

種    類 居宅

構    造 木造かわらぶき2階建

床面積 1階 43・00平方メートル

2階 21・34平方メートル

書き方のポイント

・用紙はワープロソフトで入力したもの(例えばWord形式)A4のコピー用紙が望ましいです。A3でも良いですがA4までしか印刷できないプリンターがほとんどでしょう。
自筆証書遺言も法務局で細かく指定していますが、A4のコピー用紙です。

・協議書が複数枚あれば両面印刷可。1枚のみなら契印は不要。そのままで良いです。

・製本テープはA4の用紙なら専用のテープが通信販売等から販売されています。
自分で作成される方は是非参考にしてください。

・表紙と裏表紙の製本テープの境目のところに相続人の実印が必要です。各々押印してください。偽造防止のため。表面表紙に押印すれば中身の書類には契印は不要です。(それぞれ地域によって異なる場合があります。事前に法務局に確認必要です。)

・上記の国税庁のサンプル分には被相続人の項目を追加記入した方が良いと思われます。
何を追加すれば良いかというと名前、本籍、住所、生年月日を記入しておけば妥当だと思います。(戸籍謄本通りに正確に)

・親と未成年の子供(17歳まで)が相続人の場合は利益相反行為(親が財産を多く貰う傾向有り)のため、親が家庭裁判所に特別代理人の申立を行われないといけません。特別代理人は親族でもなれます。

 

遺産分割協議書の必要書類

・被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍・除籍・改正原戸籍
・被相続人の死亡時の住民票・戸籍謄本
・権利書(登記簿謄本)
・固定資産評価証明書(相続税申告時に必要。市役所でもらえる)もしくは名寄帳が必要。(被相続人が土地をどれだけもっていたのかが分かります。各市役所に申請必要)
・相続関係図(被相続人に対して法定相続人が誰なのか関係を図にしたもの)
・被相続人全員の現在の住民票
・相続人全員分の印鑑登録証明書と実印。印鑑証明書は有効期限有り。発行日より3か月とか6か月等々
・遺言書がある場合は遺言書(本来ならば遺言書が優先されますが、書いた当時と内容が大      幅に食い違いがある場合は必要)
・財産目録(不動産、有価証券、預金等調べらる範囲内で)

また、相続税申告において配偶者控除、小規模宅地特例制度、相続時精算課税、農地や山林の納税免除や猶予制度を使用している場合は別の各々の書類が必要です。上記分の制度を使って相続税が納める必要なしと自分が判断して、申告しないのは税務署から追徴課税や重加算税が課されます。

必ず申告しましょう

作成時のポイント

  1. 誰がどの遺産をどの割合で相続するのかを明確に記載
  2. 法定相続人の人数分を作成して各自保管
  3. 法定相続人全員が自筆で署名する
  4. 法定相続人全員の「実印」を押印。印鑑証明書も必要。
  5. 登記を移転する場合は被相続人が亡くなった時の不動産を管轄する法務局提出。
  6. 相続税申告は被相続人が亡くなった時の住所を管轄する税務署に提出
  7. 決定後財産目録以外の追加財産(マイナスの財産も含めて)が出てくる可能性有。文章の文言に「相続人全員がその財産について再度協議を行う」等を責任の所在を明確に書きいれておけば遺産分割協議書の作成をやり直しをしなくてもいいでしょう。
  8. 相続人が大勢いる場合はその数だけ協議書を作成して各々の相続人に送ります。自分のところだけ押印・契印を押して返送してもらいましょう。全員の契印は不要。

相続人に音信普通・行方不明・拒否する人のいる場合

まずは戸籍の附票をとって調査します。それでも行き先が分からない場合は他の相続人達は家庭裁判所に相談してください。不在者財産管理人や失踪宣告の処理してくれるはずです。拒否する人がいる場合は財産放棄や遺産分割調停について家庭裁判が指示してくれるはずです。

まとめ

遺産分割協議書には決まった書式はありません。簡単に言えば不動産の名義変更を決めるるために作成した書類です。自分で作成するのは面倒くさい・時間がない方は専門家にご相談ください。

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