おしどり贈与とは婚姻期間(結婚してから)20年以上経過していて住んでいる家や住む予定の家に対して2000万(非課税)まで贈与出来る制度です。別荘などは除きます。贈与税に該当するので税金が不要といっても翌年の確定申告時に贈与税として申請します。
以下メリット、デメリットを書いていきます。
メリット
1.特別受益に該当しない
被相続人が特別受益とは大学に行く時に進学費用を出してもらったとか家を買う時にお金の援助をしてもらった場合は被相続人の財産に戻して公平に法定相続人に分配する計算を行います。おしどり贈与は被相続人の財産に戻さなくても良いのです。
2.暦年贈与7年以内持ち戻しはしない
令和6年(2024年)1月1日より生前贈与が3年以内の持ち戻しから7年以内の持ち戻しに段階的に変更になりました。おしどり贈与はこれにも該当しません。持ち戻ししなくて良いのです。
3.相続財産が減る。
事例として父 財産5000万 母ほとんどなし100万 子ども2人の場合 父から母へおしどり贈与を行った場合は被相続人(父)の財産3000万なので基礎控除内(3000万+法定相続人3×600万=4800万)なので申告不要です。
デメリット
1.相続の時より費用が高くなる。
登録免許税は固定資産税評価額より相続時は0.4% 贈与時は2%かかってしまいます。
不動産取得税は固定資産税評価額より相続時はかかりません。贈与時は基本的に4%かかりますが、住宅用の土地・建物に関しては特例として3%かかります。後は建物・土地の固定資産税の支払いが毎年発生するかもしれません。
2.配偶者控除(1億6千まで控除可能)が生かせない
配偶者控除は相続時に申告。おしどり贈与の贈与税。贈与税が非課税といっても登録免許税と不動産取得税は相続時よりも高い金額を支払いしなければなりません。相続時には配偶者は亡くなっている。おしどり贈与は配偶者は生存している。
3.小規模宅地の特例が活用出来ないかもしれない(申請者が配偶者の場合は配偶者控除が使えない)
2と同様330㎡(100坪)まで土地の評価額が8割削減する制度です。相続時に使える制度です。おしどり贈与は贈与税。不動産取得税や登録免許税を払わなければなりません。相続時には配偶者は亡くなっている。おしどり贈与は配偶者は生存している。
まとめ
おしどり贈与を薦めたい方は
・今の家にずっと住み続けたいと思っている配偶者(夫・妻のどちらか)が考えていること。おしどり贈与の要件に同じ家に住み続けることが入っています。
・片方の配偶者が少ない財産しか持っていなくて贈与したい場合
以上2点です。ご相談は問い合わせフォームにてお願いいたします。